リストラ(可愛さ勝負で両者一歩も譲らず、後半リスがやや優勢か)
2007年 07月 14日
おひさしぶりです。
台風が大好きです。あと火事も。 地震は嫌いです。
今日は昼過ぎに仕事が終わってから夕方まで、本を読みながら山の頂で台風を感じていました。まるで子供です。ダメな感じの子供ですが、それは自分で知っているのでいいです。
願い事を星に叶えてもらうのは一般的ですが、年に何回しか来ない台風に何か盛大に願うのも粋だと思いつき、車から降りた所までは良かったのですが、特に何も思い浮かばなかったのでそのまま車内に戻りました。その間10秒。
体の前面がビショビショになっただけでした。
その後帰って夕寝をして起きたら、もっと台風っぽい事になっていたのですが…私の家は四方の鉄壁のような山々に守られ、サワヤカ程度の風。20M前の県道は何かすごい吹きまくってるのに、何この差別。
もっと来いよ!パンツとか飛ばされて来いよー!!
台風に「ウチももっと台風っぽくして下っさーい!」とお願いしようかしら。
さて、日本文学館より新たなオムニバス本が届いたのでお知らせいたします。
これで私関連の書籍は4冊となったわけですが、オムニバス本…あんまりおもろくねぇ。
買う!と言ってくださる方もいらっしゃいますが、オススメできない。。。ので私のだけで良ければコチラでこっそりUPすることにします。(過去2冊の作品も次回UPしようと思います)
もし宜しければヒマつぶしにでも^w^ ↓↓
――変転の刹那――
「降参です。」
「あら、じゃあ分からなかったんですの。」
「全く。もうお手上げです。」
「とっても簡単なのに。」
「僕には難し過ぎますよ。」
「男の人は頭が固いのかしら。」
「そうかも知れませんね。さっぱり分かりませんでした。」
この謎々が解けたら、女の髪飾りを貰うという約束だった。
解けなかった時、僕の何を差し出すかは未だ決めていない。
「仕方ないわねぇ。でも本当に宜しいの?」
「勿体つけないで下さい。」
「知ってしまったらもう、今の貴方には戻れないのですよ。知らなかった頃の貴方には。」
「はい、覚悟の上です。」
「今のご自分に、お別れを言わなくても。」
「そんな事せずとも去ってゆきますよ。」
「まぁ、無礼な方なのね。貴方という人は。」
「そういうものです。一瞬前の自分なんて、何も告げずに去って行くものですよ。」
「…そうですわね。自分に断って過去に行く者はおりませんわね、誰も。」
「そうでしょう。それで良いのです。」
徒(いたずら)に笑むこの女は、僕の差し出すものに興味が無いのだろうか。
何が欲しいのか、言ってくれれば簡単なのに。
といっても、今持っているものといえば、この命くらいなのだが。
「では、この簪(かんざし)は諦めたのですね。」
「はい。諦めようと思います。惜しいけれど仕方がない。」
「まぁ、潔いこと。それならお教えしましょうか。」
女の手が僕の耳に翳(かざ)された。
袖(そで)が左の腕に触れ、欲しかった髪飾りは視界の隅で小さく震えている。
瞼(まぶた)を閉じて待つこと一瞬。
「答えは―」
女が言い終わらぬうちに、先刻の自分と、これより後の自分がごっそり入れ替わるのを感じた。
何故だか、それがとても心地良かったのだ。
by otokomae-nano
| 2007-07-14 23:08
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